REPORT
開催レポート

最新のセミナー情報はこちら

2019年11月15日、国内最大級のOSSイベント「レッドハット・フォーラム2019」が開催されました。今回のテーマは「EXPAND YOUR POSSIBILITIES 世界を変えるデジタル変革を、全ての人へ」。
約3,200名にご来場いただき、50に渡るブレイクアウトセッションをはじめとし、展示エリアでは協賛スポンサー企業によるソリューション紹介やセッションのライブ配信など、多様なテクノロジーやソリューションへの理解を深めていただける数多くのプログラムが展開されました。

最新のセミナー/事例情報

ゼネラルセッション

レッドハット株式会社 代表取締役社長の望月弘一による開会の挨拶に続き、アジア太平洋地域の責任者であるダーク-ピーター・ヴァン・ルーウェンと、Red Hatコンサルティング部門 バイスプレジデント ニック・ホップマンが講演した。さらに特別講演では、株式会社日本総合研究所 取締役 副社長執行役員 井上 宗武 氏も登壇。「Innovation Awards APAC 2019」授賞式も開催され、最後にはシニアバイスプレジデント兼CTOのクリス・ライトによるテクニカルキーノートを行った。
「デジタル変革はもう起こっている。レッドハットとともに、世界を変えていこう」と力強く呼び掛けた望月の挨拶の後、ビジネスキーノート「組織や業界を変えるための働き方改革」に登壇したヴァン・ルーウェンは「オープンソーステクノロジーをただ導入するだけではなく、その原則や思想も取り入れ、組織をアジャイルにしていただきたい」と訴えた。ホップマンも「世界がより速いスピードで変わり続けていく中で、ITを活用した新たな手法による問題解決が求められている」と強調した。ホップマンと対談した株式会社野村総合研究所 執行役員 DX生産革新本部長 兼 マルチクラウドインテグレーション事業本部副本部長 大元 成和 氏は、ボストンにあるレッドハットのオープンイノベーション・ラボを見学した経験について「大変感銘を受けた。一緒に歩みたいと改めて感じた」と評価。また特別講演においてSMBCグループのビジネス変革に向けたデジタル推進の取り組みやOpenShift・3Sclae API Managementへの取り組みを紹介した井上氏は「レッドハットと協力しながらグループのさらなる発展を目指していきたい」と述べた。Innovation Awards APAC 2019では、受賞した楽天株式会社および日本電気株式会社から代表者が喜びの言葉を述べるとともに、自社の取り組みを対談で掘り下げた後、テクニカルキーノート「レッドハットの大胆な目標」で、ライトはオープンソース・コミュニティのこれまでの歩みを称えるとともに「この先もオープンソースとともに歩み続けることで、我々は世界を変えることができると信じている」と力強く語ってゼネラルセッションを締めくくった。
セッション資料はこちら


レッドハットセッション

ハイブリッド
クラウド基盤

デジタル・トランスフォーメーションの波が急激に押し寄せている今、企業ITインフラもその変革を迫られています。プライベートクラウドとパブリッククラウドを組み合わせるのは当たり前。抽象化と自動化を徹底的に行い、管理業務のスピードアップ、クラウドガバナンスの統制、リソース使用の適正化が必要です。ビジネス成長に貢献する、次世代ITインフラをいかに実現するのか、レッドハットソリューションをご紹介します。

クラウドネイティブ
アプリケーション基盤

アプリをより迅速に構築するには、適切なテクノロジーを、適切なプラットフォームや手法と組み合わせて使用する必要があります。レッドハット は、クラウドネイティブ・コンテナ開発プラットフォームである Red Hat OpenShift で、これらのテクノロジーの導入をサポートします。 既存のアプリケーションをモダナイズする手法、マイクロサービス化で競争力のあるサービスを素早くリリースする手法など多数の事例を交えてご紹介します。

IT自動化と
運用管理

自動化は、企業のデジタル・トランスフォーメーション実現への道のりをサポートします。IT基盤だけでなく、ビジネスプロセスを通じた運用の管理、変更、適応にも自動化は不可欠です。IT基盤の構築からアプリケーション開発、環境メンテナンスに渡る先進の運用を通じてビジネス革新をどのように実現するか、レッドハットが提供するマネジメントソリューションについてRed Hat Ansible Automationを中心にご紹介します。
講演者
DEMO

ビジネス改革の要はディベロッパーにあり!
〜ある製薬企業のDX実現ストーリー〜

レッドハット株式会社

本デモセッションでは、ある製薬会社の想定事例として、OpenShift/Ansible/3scaleを中心とするRed Hatソリューションを活用したDX実現のストーリーを追体験した。DXを推進するにあたってセキュリティ面を考慮することは非常に重要である。しかし、そこに意識が向かい過ぎれば開発者のクリエイティビティが阻害されてしまう。そこで、オペレーションの知識がなくてもセキュアに管理が可能となる“Red Hat OpenShift on Operator”のデモが披露された。その後、業界初のKubernetes Nativeな統合開発環境である「Red Hat CodeReady Workspaces」による、開発者同士が離れていても同じワークスペースを共有しながら同じ環境で開発できる世界なども披露された。

講演者
CL01

Red Hat OpenStack Platform
これまでと これから

荒木 俊博

レッドハット株式会社

テクニカルセールス本部 クラウドソリューションアーキテクト部
ソリューションアーキテクト Cloud Architect

プロジェクト発足以来、9年という時間が経った「OpenStack」。本セッションでは、OpenStackのコミュニティの歴史を簡単に振り返った上で、今後のロードマップも交えながらRed Hatが何を届けようとしているのかについて語られた。荒木は「リリースペースの速さがOpenStackの特徴の1つであり、それを可能にするのがコミュニティ活動の活発さだ。特に2015年に開催されたOpenStack Summit Tokyoでは、私自身もコミュニティの熱さに感動した」と力を込め、Red Hat のOpenStackPlatformについて言及。その導入事例と合わせて、Edge Computingを中心とした今後の機能拡張の方向性などを明らかにした。
セッション資料はこちら

講演者
CL04

Red Hat Enterprise Linux 8の嬉しいところ

森若 和雄

レッドハット株式会社

テクニカルセールス本部 パートナーソリューションアーキテクト部
ソリューションアーキテクト

本セッションでは、2019年5月にリリースされた、エンタープライズ向けOSの最新版「Red Hat Enterprise Linux 8」の概要が説明された。強化点の1つがパフォーマンス向上で、ネットワーク処理量をはじめとして、前バージョンと比較して平均で20%以上の性能向上が期待されるという。また、ライフサイクルについて、「5年間のフルサポート、5年間のメンテナンスサポートに変更される」などの点について言及。「Image BuilderやUBIによる容易な仮想マシン、コンテナのデプロイ、Web ConsoleのGUIによる分かりやすい運用管理等、多くの進化を遂げているので、新バージョンをすぐにでも試していただきたい」とアピールした。
セッション資料はこちら

講演者
CL05

The world after Kubernetes Native
-コンテナが日常化した世界-

北山 晋吾

レッドハット株式会社

Cloud Solution Architect
OpenShiftアーキテクト

本セッションでは「Kubernetes」がデファクトスタンダードになった現在、システムの運用効率化に向けて現場は何から取り組むべきなのかについて言及した。世界中のCIOがKubernetesに期待する理由として、迅速なアプリケーション開発、リソースのスケーラビリティ、ITコストの最適化、マルチクラウドへの柔軟な対応、クラウドへの効率的な移行の5つが挙げられる。北山は「“Kubernetes Native”な世界になれば、どんな環境であってもアプリケーションをデプロイできるようになるだろう。それはOpenShiftが目指す世界観と同じだ」と強調。その他、Resource OrchestratorやOperator Ecosystemなど、Kubernetesがデファクトスタンダードになった世界で考慮すべき、運用自動化のポイントなどが紹介された。
セッション資料はこちら

講演者
AP06

エンタープライズシステムをクラウドネイティブ
に導く: OpenShift4最新アップデート

須江 信洋

レッドハット株式会社

テクニカルセールス本部
Associate Principal Solution Architect

本セッションでは、DXの先にある「アフターデジタル」におけるデジタル基盤のあるべき姿について提言がなされた。オンラインとオフラインが融合するOMO(Online Merges with Offiline)の世界では、ビジネスの形は大きく変わり、大量のデータを効率よく捌けるデジタル基盤が不可欠となるが、「現時点で最も妥当な戦略はクラウドネイティブである」と強調。クラウドネイティブへの道は険しいが、これを容易にするのが「OpenShift4」であることを説明。OpenShift4で新たに加わった機能や特長の説明をした上で、「Openshift4を活用した分散システムとクラウドネイティブなIT基盤によって、どんな企業でもデジタルジャイアントのようなパフォーマンスを発揮できる」と訴えた。
セッション資料はこちら

講演者
AP09

クラウドネイティブ時代のApache Camel

駒澤 健一郎

レッドハット株式会社

テクニカルセールス本部
アソシエイトプリンシパルソリューションアーキテクト

本セッションでも”アフターデジタル”、デジタルが当たり前になる世界観に向けたテクノロジー、という切り口で説明された。駒澤はまず「“アフターデジタル”の時代に向けて、組織のコミュニケーションとシステムのコミュニケーションは限りなく一体化していくことになる。基本的な考え方が合致するマイクロサービスは、これから必然的に重要性を増していくことだろう」と述べた。その上で、マイクロサービスによるシステム連携のフレームワークである「Apache Camel」について、デモを交えながら最新モデルの機能を紹介した。また、マイクロサービス間の連携は、分散メッセージングと組み合わせた使い方が主流となりつつあるとした上で「パートナーとカスタマーを結ぶシルクロードのようなシステムが実現するといいのではないか」と結んだ。
セッション資料はこちら

講演者
AP11

ブラックボックス化した業務システムを
“ルールエンジンで”華麗にホワイト化する方法

松田 絵里奈

レッドハット株式会社

テクニカルセールス本部ミドルウェアソリューションアーキテクト部
シニアソリューションアーキテクト

ブラックボックス化したレガシーシステムはDX推進の妨げになる。本セッションでは、システムを“ホワイト化”するためのルールエンジン開発によるアプローチについて解説された。松田は「既存資産のブラックボックス化から脱却するためには、現行のプログラムコードではなく現行の業務ルールを起点にしたアプローチであるルール駆動開発が有効だ」とし、業務ルールの整理から行う、デジションサービス化で疎結合、繰り返し開発で小さくはじめて最短コースをたどる、といった3つのポイントを説明。さらに、製造業と金融業におけるルール駆動開発の事例を紹介した後「ルール駆動開発に必要なのは、ルールエンジンとほんの少しの勇気だ」と結んだ。
セッション資料はこちら

講演者
AP15

モノリスからマイクロサービスへの転換期に求められるAPI管理
〜3scale/Istio連携で実現する新たなビジネス価値

手塚 由起子

レッドハット株式会社

テクニカルセールス本部
ソリューションアーキテクト

デジタル化に伴い、APIエコノミーが進展し、マイクロサービスアーキテクチャの利用が拡大している。本セッションでは、これからのAPI管理に必要な考え方と活用ユースケースや事例について解説した。モノリスからマイクロサービスへの転換期には必ずレガシーシステムが存在する。手塚は「両者のギャップを埋めるソリューションが必要であり、Red HatではアジャイルAPIインテグレーションのアプローチを提唱している」と述べた。 さらに、3scaleとOpenShiftを活用し、アジャイルなアプリケーション基盤を構築したウェザーニューズ社、同じくFinTech オープンAPI管理サービス基盤を実現した日立製作所の事例も紹介された。
セッション資料はこちら

講演者
AT01

ITインフラ業務の生産性を劇的に向上する、
Ansible Automationによる自動化2.0の世界

中島 倫明

レッドハット株式会社

テクニカルセールス本部クラウドソリューションアーキテクト部
ソリューションアーキテクト

本セッションでは、「Ansible」を活用した、IT基盤構築の効率化のための自動化のあるべき方向性について解説された。従来のインフラ自動化はシステムごとに個別のツールが用いられるなど、その進展とともにサイロ化も進む、という課題があった。そのような課題に対して、中島は「Ansibleはシンプルで誰もが利用可能な、標準化された自動化を実現する必要がある」と訴える。事実、Ansibleは“Automation Platform”として「自動化2.0」へと進化を遂げ、組織としての自動化の共有、再利用がさらに容易になっている。最後に、「自動化は小さく初めて大きな成功に繋げていくことが必要で、失敗しない第一歩が重要」と強調し、その第一歩について具体的に提案がなされた。
セッション資料はこちら

講演者
AT02

Ansible 利用その一歩先へ
- Ansible Tower の使い方徹底解説!

岡野 浩史

レッドハット株式会社

テクニカルセールス本部 パートナーソリューションアーキテクト部
シニアソリューションアーキテクト

「Ansible」が提供する自動化機能をさらに強化させるものが「Ansible Tower」である。その特徴は、GUI/CLI/RESTAPIに対応した使いやすいインターフェース、Playbookを用いたディレクトリの管理と権限委譲、サーベイやワークフロー機能など、多岐にわたる。岡野は「Ansible Towerの機能群をフルに活用することで、運用のセルフサービス化が実現することができる」と解説。さらに最新版となる「Ansible Tower 3.6」の新機能も紹介した。GitHub / GitLabからのWebhook 対応を実現した他、Playbook 更新をトリガーとしたジョブテンプレート/ワークフローの起動、ワークフローでの承認機能をサポート、メールや Slack 等で通知が可能となった。
セッション資料はこちら

事例セッション

講演者
AP02

NECのデジタル変革への取組みについて、
当社の顔認証技術とOpenShiftで実現の最新事例「成田空港One ID」を交えご紹介

影山 太一 氏

日本電気株式会社

先端SI技術開発本部 OSS推進センター エキスパート

中西 俊之 氏

日本電気株式会社

トランスポートシステム本部
プロジェクトマネージャ

本セッションでは、NECの強みである「顔認証技術」とOpenShiftを用いた事例として「成田空港One ID」の実現に向けた取り組みが紹介された。成田空港One IDは、空港におけるチェックイン時に顔写真を登録することで、その後の手荷物預け、保安検査、搭乗ゲートでの手続きにおいて、搭乗券やパスポートを提示することなく顔認証だけで通過できるようにするもの。この仕組みの実現にあたり、顔認証技術と共に活用されたのが、NECがOEM提供しているOpenShiftだ。基盤にOpenShiftを採用した理由は、オンプレミスやパブリック/プライベートクラウドなど、どこでも稼働可能な「可搬性」、そして、今後発生しうる様々なシーンを想定し、スモールスタート可能な構成から高トランザクションに耐える大規模構成までスケールアウト可能な「拡張性」にあったと言う。
NECは、OpenShiftを活用したシステム構築の中で、インフラからコンテナまでの全レイヤーにおいて、ワンストップでサポート可能な体制を整えている。また、2016年に日本で初めてOpenShift のOEMの提供を開始して以降、継続的な製品強化にも取り組んできた。「NECは、OpenShiftを用いたシステム構築の支援をはじめ、お客様のデジタル化に貢献するベストパートナーを目指している。」と訴え、セッションを締め括った。
セッション資料はこちら

講演者
AP05

マイクロサービス構築運用の陥りやすいポイントとは~Openshiftを活用したハイブリッドな統合運用

石井 邦和 氏

株式会社オージス総研

プラットフォームサービス本部 クラウド基盤ソリューション部 リーダー

本セッションでは、新規システム開発においてマイクロサービスを採用した金融機関の事例をもとに「マイクロサービスアプリを構築するうえでのポイント」「OpenShift上でのルールエンジンの活用法」「OpenShiftを活用したハイブリッド監視」の3点についてレクチャーした。
まず、マイクロサービス構築の実装ポイントについて、EventBus(同報配信と送達保証、順序保証トランザクション)とトランザクションの整合性戦略(Sagaパターン)の2点を中心に解説が行われた。続いて、ルールベースのマイクロサービスと題して、オージス総研が開発したWebアプリケーション形式のBRMS(ビジネス・ルール・マネジメント・システム)「yonobi(ヨウノビ)」を紹介。そのメリットについて石井氏は 「OpenShift上にyonobiをデプロイすることで、IT部門だけでなく、ビジネス部門もマイクロサービス構築に直接関与できる」と言及した。
マイクロサービスやコンテナといったシステムの監視には、従来型の静的な監視ではなく、動的な監視にも対応する必要があり、統合監視の考え方が不可欠である。実際には、1つの管理コンソールで、VMとコンテナ、オンプレとクラウドの監視に対応できるツールが必要となるが、石井氏は「OpenShiftはハイブリッド時代に必要な監視ツールを内包している。Red Hatのサポートが受けられるのも大きなメリットだ」と訴えた。
セッション資料はこちら

講演者
CL11

東京海上日動のDXにおけるIT部門の取り組み

村野 剛太 氏

東京海上日動火災保険株式会社

IT企画部 部長

東京海上日動システムズ株式会社

エグゼクティブオフィサー
デジタルイノベーション本部長

東京海上グループでは、東京海上日動IT企画部の約40名と東京海上日動システムズの約1,300名がグループ全体のIT業務を担い、中央集権的なITガバナンスを実現している。これをリードするひとりが村野氏だ。保険業界を取り巻く環境変化に伴いIT部門は、IT活用領域の拡大、セキュリティリスクの増大、ビジネススピードの加速、グローバル化の進展という4つの課題に直面している。 村野氏は「その解決に向けて、顧客志向の商品・サービス開発、マーケティング力の強化、オペレーション効率化もさることながら、社内カルチャーの変革が急務だった」と打ち明ける。
具体的な対応としては、東京海上日動システムズにイノベーション部隊を設置。その人員を増強するとともに、2019年にはビジネス部門に隣接する銀座にデジタルイノベーション本部を設置し、DXに必要な4つの“D”(Design、Data、Development、Delivery)を集約した。また、社内カルチャーの変革に向けては、開発メンバー、オーナー部門の双方にヒアリングを行い、 ロードマップを策定した。村野氏は「カルチャー改革のためには、リーダー自らが変わらないといけないこと、ワンチームで取り組むこと、現場(エンジニア)ファーストであることの3つがポイントになる」と述べる。
さらなる改革に向けて、Red Hatには「LACE(リーンアジャイル変革チーム)の支援、ビジネス部門と開発部門双方へのコーチングを期待したい」とエールを送っていた。
セッション資料は非公開

講演者
CL12

【事例】アジャイルな組織を創っていくには?
地銀で取り組むアジャイルな組織創り

松崎 一孝 氏

株式会社ふくおかフィナンシャルグループ

事業戦略部 オープンイノベーション推進グループ
副調査役

河野 彰範 氏

レッドハット株式会社

サービス事業統括本部第1コンサルティング部
シニアコンサルタント

スクラムマスター(SM)として活動するふくおかフィナンシャルグループ(FFG)の松崎氏は、アジャイルな組織創りに向けてどのような課題に直面し、どのようにしてそれを乗り越えてきたのか、過去1年半の自らの経験をもとに紹介した。
FFGの開発チーム(デジタル事業部門)は2018年4月に発足。松崎氏は「当初、メンバーにはウェブ開発の経験者がおらずスクラムもよく知らない状態で、とりあえずスクラムセレモニーを実施するくらいのレベルだった」が、やがて「サポートは必要だが、自分たちだけでプロダクトを開発できるようになった」と振り返る。SMと開発チーム、中途メンバーと、成長と学びを積み重ねて、2019年6月よりあるサービスの実証実験を開始した。
行内では、環境改善や他部署との交流に取り組むとともに、対外的にはFFGの魅力を伝える活動に注力した。松崎氏自身は現在、地元福岡でスクラムを広めていくコミュニティの立ち上げにも関わっている( https://www.facebook.com/nobinobiFUKURUM/ )。
アジャイルコーチとしてFFGを支援してきたレッドハットの河野は「まずは正しくアジャイルを実践できるチームを一つ育成することに取り組んできた。現在は、既存事業部門とアジャイル開発チームを支援する体制をつくり、アジャイルの考え方を組織全体に普及させようとしている。」と話した。
セッション資料はこちら

講演者
FSI

【金融業界向け】先進的金融事例に学ぶ DXの成功要因とその成果
アクサ生命保険のDevOpsへの道のり

蝶採 トックディル 氏

アクサ生命保険株式会社

Engineeringギルド
ギルドリードジェネラルマネージャー

DevOpsはツールやテクノロジー、プロセスではない。開発担当者と運用担当者が連携して協力する開発手法であり、ソフトウェアのビルド、テスト、リリースの文化と環境を以前よりも迅速に、頻繁に、確実に行うことを目指している。蝶採氏はこう説明した上で、2015年に始まったアクサ生命保険のDevOps Transformationの道のりを紹介した。
以前は外部のベンダーにシステム開発を委託していたが、開発部門を新設し、これを内製化した。さらに2018年にはIT組織を再編し、ビジネス専門家を縦軸、開発専門家を横軸とするマトリックス型の組織とすることで「自律的なデリバリーチーム」へと変革。これによって「かつてはアプリの開発、リリースまでに数週間~数カ月を要していたのが、現在は数日~数週間にまでに短縮することができた」と話す。
DevOps Transformationに向けて実施したこととしては、クラウドプラットフォーム(PaaS)の導入や、ツールの導入、社内及び社外でのスキルアップ研修の開催、チームの成熟度指標の定義とトラッキング、DevOpsイベントの開催などを挙げた。さらに「トランスフォーメーションの成功には、組織の最適化、権限移譲、上層部による全面サポートなどが重要なカギを握った」と打ち明ける。
現在、クラウドプラットフォーム上に稼働している57あるアプリのうち、26をAWS+OpenShiftのプラットフォームで提供しており、開発チームのさらなる活性化に向け、アイデアソン、ハッカソンの実施も予定している。
セッション資料は非公開

講演者
Telco

【通信業界向け】5G/Edge Computing時代のオープンソース実装事例

辻 広志 氏

KDDI株式会社

次世代運用推進本部 コアネットワーク部 次世代システムグループ
課長補佐

変化するビジネス環境に対応するために自動化などの運用業務の効率化を進めているKDDIだが、そのカギとなる内製化に欠かせないのがオープンソースソフトウェア(OSS)である。辻氏のセッションでは、KDDIの中でもミッションクリティカルな、コア系通信システムの運用現場におけるオープンソース技術を活用した内製化と、運用の近代化に向けた取り組みが紹介された。 同社が通信システムの運用を近代化するきっかけとなったのは、運用と開発の組織融合だった。
1つ目の近代化戦略は、プロトタイピングである。プロトタイピングにおいてはPoCを二段階で行い、まず初めに気軽に“お試し”をする“野良PoC”を行い、技術や要件を見極める。野良PoCがうまく行けば予算化しより実践的な“本PoC”を行い実現性を熟成する。辻氏は「ちょっとお試しできるのがOSSの非常に優れたところだ」と力説する。 2つ目の近代化戦略は、新規設備について最初から“モダンな”運用を目指すことであり、3つ目は、規模の大きな古いシステムのうち特に“イケてない”ものから優先的に近代化に着手することである。
ここで辻氏は、Kubernetesを使用した自動化プラットフォーム、Elasticsearchを活用したサービス監視、Ansibleを用いた局データ(交換機特有の設定)の宣言的運用といった、社内のオープンテクノロジー活用3つの取り組みを紹介。「OSSを使えばPoCや検証が非常に短時間に、またある程度自分たちだけの力でできるので開発の目処が立ちやすい。OSSは内製化の重要な柱となっており、これからもパートナーとともにOSSのパワーを最大限に引き出していきたい」と締めくくった。
セッション資料はこちら

講演者
Public

【公共・自治体向け】デジタルガバメント実現に向けたオープンソース実践
社会全体を通じたデジタル・ガバメントの推進

尾原 淳之 氏

内閣官房

IT総合戦略室
内閣参事官

デジタル技術の徹底活用と官民協働を軸に、行政機関の縦割りや、国と地方、官と民という枠を超えて行政サービスを見直し、行政の在り方そのものを変革していく「デジタル・ガバメント」。本セッションでは、その全体像が内閣官房 IT総合戦略室の尾原氏によって解説された。
デジタル・ガバメントを実現していく上での柱となる考えが、(1) デジタル技術を徹底的に活用した行政サービス改革、(2) デジタル・ガバメントの実現を支える環境整備、(3) 地方公共団体のデジタル化、の3点である。(1) の推進に向けて令和元年5月31日に公布されたのが「デジタル手続法」で、行政手続の原則オンライン化等、その概要が尾原氏より説明された。 また (3) についても、各種手続のオンライン化をはじめ、基幹業務システムの共同化、AIの活用といった課題や取り組み状況について言及された。
尾原氏は最後に「社会全体のデジタル化にあたっては官民が保有しているデータの利活用が不可欠である。しかし、現状はデータの記述形式などの統一性が欠けており、相互利用が難しい状況にある。政府としてもデータの標準化や統一化のためのAPI開発等を進めていくとともに、自治体における業務プロセスとシステムの標準化も支援していきたい」と訴え、セッションを締め括った。
セッション資料はこちら

講演者